東京ディズニーリゾート(TDR)以外に観光地がない――。千葉県浦安市観光業界のそんな悩みから生まれた「乗合(のりあい)屋形船」が、人気を集めている。運が良ければTDRの花火を楽しめるのは浦安ならでは。コロナ禍を乗り越えたことで、想定外の集客にもつながっている。
東京メトロ東西線浦安駅から徒歩で約10分、旧江戸川沿いには7軒前後の船宿が並ぶ。夕暮れ時になると、カップルや外国人のグループが、明かりをともした屋形船に乗り込み、出航していく。
見どころは、ライトアップされた葛西臨海公園の大観覧車や、東京ゲートブリッジなどの夜景。大人(中学生以上)1人1万2千円で、東京湾の夜景を眺めながら、飲み放題付きの和食コースを楽しめる。人気の「お台場コース」は、舞浜沖から葛西沖を経由してお台場までの往復を3時間かけて周遊する。
誕生のきっかけは
団体貸し切りが当たり前だった浦安市の屋形船が、2人から申し込める乗り合いを始めたのは2018年のことだ。
浦安の屋形船自体は、戦前か…